肛門科の受診について
Q
痔というと多くの方がこれで悩んでいると思うんですが、実際は受診をためらう科ですが、この点先生いかがでしょうか?
A
肛門科を訪れたほとんどの患者さんが、「最初は行くまでは怖かったけれど受診してみたら全く平気だった」「もっと早く受診しておけばよかった」という感想を持っておられます。
痔持ちの方は一度は専門医に診てもらって自分の痔がどういう種類なのかきちんと診断してもらうことが必要です。
痔の病気はイボ痔、きれ痔、痔瘻が多いですが、1人で複数の病気を持っていることもあります。
また、イボ痔と思っていても実際はきれ痔であったり、「切れて血が出るきれ痔です」と訴える患者さんがイボ痔のことは多いです。
ご自分の診断は当てになりません。
Q
痔の診察は外科でもできるのでしょうか。肛門科の方がいいでしょうか?
A
肛門科がなければ一般病院の外科でもいいでしょう。ただし、外科の先生が肛門の知識と経験をどの程度持っているかが問題です。
実際、外来の短時間の診察で痔の正しい診断と治療方針を決めるのは、多くの肛門診察の経験がないと容易ではありません。
正しい診断が出来なければよい治療が行えません。
肛門は非常に専門的な分野ですから、出来れば経験豊富な肛門科の専門医に診てもらうのがよいです。
Q
では、肛門科ではどんな診察、治療が行われるのでしょうか?
A
問診:症状、過去の病歴、手術歴を問診票に記入して下さい。
視診:目で肛門周囲の状態を見ます。
触診、指診:直接患部に触れて痔の状態を調べます。
肛門鏡による診察:器具で肛門内の状態を診ます。
診察時の体位:右を下にして横になる逆シムス体位。診察時は患部以外はタオルでおおうなどの恥ずかしくない配慮がなされています。
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